【メイド喫茶の原価計算】萌えの付加価値
大須に「めいどりーみん」というメイド喫茶がいつのまにか出来てました。
調べると全国展開しているメイド喫茶で全国に15店舗・バンコクにも1店舗とグローバル展開までしていて、もっと調べると株式会社ネオディライトインターナショナルが取り仕切っており、その企業理念は「世界で一番笑顔が集まる企業」。
メイド喫茶と言えば秋葉原の@ほ~むカフェが有名だと思っていたけど、こっちは秋葉原本店と秋葉原ドンキホーテ店の大きく分けて2店舗。そのブランド力とブランディング戦略は凄いと思うけど(パチンコにもなったみたい)、ここはLiNK‐UP株式会社の完全子会社インフィニア株式会社が@ほ~むカフェの運営会社として機能してて、社運を賭けた!という感じは正直、無い。
日本のサブカルチャーで世界に打って出た株式会社ネオディライトインターナショナルは凄い。
ところでメイド喫茶は儲かるのか?という疑問が出てくる。
自分の知識と価値観を総動員して本気出して考えてみた。
バイト探し情報誌anを見る限りメイドさんの時給は900~1400円なので、ザックリ1200円ぐらいと考えれば、働く側としては良い時給。850円が普通の時給だとすれば1.4倍ぐらいだ。しかし、目的が『飲食』では無く『メイド』であって基本的には喫茶店なので、飲食店の原価計算と大差ない。つまり、材料費30:人件費30:経費30:利益10%が王道であって、席の回転率を常に意識する必要がある業種だ。いかに常連客をつけるかが勝負である。
人件費が高い分、メニュー単価が高いか、材料費が安いか、経費が安いか、全てか。
メイド喫茶のコンサルをしたことが無いから分からないが、答えは「全て」だと考える。
<単価>
メニュー単価が高めな事は確かなのだが、べらぼうには高くない。実際に「めいどりーみん」のHPでは、1,000~3,500円が予算と出ていた。
<材料費>
材料費については、てっとり早く下げれる部分でもあるし、だいたいのメニューにはメイドさんの何かしらの付加価値が付いてくる。オムライスを頼めばハートマークを書いてくれたりするソレだ。経営側から考えれば、複数頼んでくれた方が儲かるし、利用者側としては複数頼んだほうがメイドさんと接点が持てる。つまり、ボリュームは必要ない。ここには萌えの付加価値が大いに絡んでいる。
<経費>
メイド喫茶には何回か実際に行ったこともあるが、椅子が安っぽかったり、それを上手く店の雰囲気でかき消している感はあった。あとはメイド服に絶対にお金がかかっている・・・。そして、流行っているメイド喫茶はだいたい舞台があって、そこでメイドさんがパフォーマンスをしてくれるので、席数が稼げないという諸刃の剣な状態になっている。あとはチェキでの撮影があったりと、消耗品も多い。大手メイド喫茶ともなるとCDも出していたりするので、その広告宣伝費もかなりのものになると想像出来る。
そもそもメイド喫茶を運営するのに必要な要素は【サブカルチャーな立地】×【質の良いメイド】だと考えることが出来る。
<サブカルチャーな立地>
来店する常連さんはメイド喫茶だけを目的にしておらず、秋葉原・大須・日本橋という独自のサブカルチャーがある街に行く用事がある、又は、その街で自分の趣味的欲求が満たせられる人たちだ。メイド喫茶が目的で行ったとしても、他にも何か見たいものがあったり、欲しいものがあったりして、それはメイド喫茶の近辺で実現可能な事が大前提となる。
つまり、ド田舎にメイド喫茶を作っても、絶対に潰れる。ターゲット層が店の前を通らない。逆説的に考えれば、サブカルチャーな街に拠点を置く必要があることから、家賃の負担は大きくなる。この条件はメイド喫茶の宿命なので、メイド喫茶がある一定の地域に乱立することとなり、熾烈なメイド合戦が繰り広げられる事となる。
<質の良いメイド>
これが最大の強みであり、経営側としては確保が難しい部分。いかに良い人材を揃えて、いかにファンを増やすか?一騎当千な人気メイド(スーパーメイド)がいれば様々な事が実現出来ることから考えれば、質の良いメイドが複数いることが前提で経営戦略が作られているハズだ。質の良いメイドの確保・育成にはお金をかけているに違いない。
この部分はブランディング戦略と繋がる。@ほ~むカフェもめいどりーむも、メイドを足がかりに芸能界へ!等と夢へのチャンスが散らばっている。ブランド化したメイド喫茶はメディア露出が多いため、自分のメディア露出可能性も高まるという相乗効果がメイドさんたちにはあるワケだ。それならば有名なメイド喫茶で働こうと考えるのは普通であって、経営側の人材の確保という部分はブランド化という戦略でクリア出来る。しかも、芸能人を目指すような子たちが来るとあってルックス面でも期待が出来るので、スーパーメイドが誕生する可能性も高い。メイドたちはメイド喫茶を活用し、経営はメイドを利用し、Win×Winな関係が構築されている。逆説的に考えればブランド価値の無いメイド喫茶に可愛い子も、質の良い人材が集まる可能性は低い。
ここまでで新規の参入障壁がとてつもなく高い事が分かった。
メイド喫茶を繁盛させるためには、相当な仕組みが必要。原価管理をしましょう!なんて言えるメイド喫茶は極わずかで、中途半端なメイド喫茶の経営は資金繰りがヤバそうな事は想像出来る。実際、喫茶店で利益率が良い形態は「マンガ喫茶」であり、滞在すれば滞在しただけお金が発生する形態は飲食店としては画期的だ。コーヒーの原価率なんて15%ぐらいだから延長料金の利益率はべらぼうに高い。人気メイド喫茶の形態も席が時間性になっていて、延長料金が発生する。これをマンガ喫茶形態と言えば良いのか、キャバクラ形態と言えば良いのか難しいところだが、まぁ両方なのかな。
結論としてメイド喫茶は儲かり難い。
調べると全国展開しているメイド喫茶で全国に15店舗・バンコクにも1店舗とグローバル展開までしていて、もっと調べると株式会社ネオディライトインターナショナルが取り仕切っており、その企業理念は「世界で一番笑顔が集まる企業」。
メイド喫茶と言えば秋葉原の@ほ~むカフェが有名だと思っていたけど、こっちは秋葉原本店と秋葉原ドンキホーテ店の大きく分けて2店舗。そのブランド力とブランディング戦略は凄いと思うけど(パチンコにもなったみたい)、ここはLiNK‐UP株式会社の完全子会社インフィニア株式会社が@ほ~むカフェの運営会社として機能してて、社運を賭けた!という感じは正直、無い。
日本のサブカルチャーで世界に打って出た株式会社ネオディライトインターナショナルは凄い。
ところでメイド喫茶は儲かるのか?という疑問が出てくる。
自分の知識と価値観を総動員して本気出して考えてみた。
バイト探し情報誌anを見る限りメイドさんの時給は900~1400円なので、ザックリ1200円ぐらいと考えれば、働く側としては良い時給。850円が普通の時給だとすれば1.4倍ぐらいだ。しかし、目的が『飲食』では無く『メイド』であって基本的には喫茶店なので、飲食店の原価計算と大差ない。つまり、材料費30:人件費30:経費30:利益10%が王道であって、席の回転率を常に意識する必要がある業種だ。いかに常連客をつけるかが勝負である。
人件費が高い分、メニュー単価が高いか、材料費が安いか、経費が安いか、全てか。
メイド喫茶のコンサルをしたことが無いから分からないが、答えは「全て」だと考える。
<単価>
メニュー単価が高めな事は確かなのだが、べらぼうには高くない。実際に「めいどりーみん」のHPでは、1,000~3,500円が予算と出ていた。
<材料費>
材料費については、てっとり早く下げれる部分でもあるし、だいたいのメニューにはメイドさんの何かしらの付加価値が付いてくる。オムライスを頼めばハートマークを書いてくれたりするソレだ。経営側から考えれば、複数頼んでくれた方が儲かるし、利用者側としては複数頼んだほうがメイドさんと接点が持てる。つまり、ボリュームは必要ない。ここには萌えの付加価値が大いに絡んでいる。
<経費>
メイド喫茶には何回か実際に行ったこともあるが、椅子が安っぽかったり、それを上手く店の雰囲気でかき消している感はあった。あとはメイド服に絶対にお金がかかっている・・・。そして、流行っているメイド喫茶はだいたい舞台があって、そこでメイドさんがパフォーマンスをしてくれるので、席数が稼げないという諸刃の剣な状態になっている。あとはチェキでの撮影があったりと、消耗品も多い。大手メイド喫茶ともなるとCDも出していたりするので、その広告宣伝費もかなりのものになると想像出来る。
そもそもメイド喫茶を運営するのに必要な要素は【サブカルチャーな立地】×【質の良いメイド】だと考えることが出来る。
<サブカルチャーな立地>
来店する常連さんはメイド喫茶だけを目的にしておらず、秋葉原・大須・日本橋という独自のサブカルチャーがある街に行く用事がある、又は、その街で自分の趣味的欲求が満たせられる人たちだ。メイド喫茶が目的で行ったとしても、他にも何か見たいものがあったり、欲しいものがあったりして、それはメイド喫茶の近辺で実現可能な事が大前提となる。
つまり、ド田舎にメイド喫茶を作っても、絶対に潰れる。ターゲット層が店の前を通らない。逆説的に考えれば、サブカルチャーな街に拠点を置く必要があることから、家賃の負担は大きくなる。この条件はメイド喫茶の宿命なので、メイド喫茶がある一定の地域に乱立することとなり、熾烈なメイド合戦が繰り広げられる事となる。
<質の良いメイド>
これが最大の強みであり、経営側としては確保が難しい部分。いかに良い人材を揃えて、いかにファンを増やすか?一騎当千な人気メイド(スーパーメイド)がいれば様々な事が実現出来ることから考えれば、質の良いメイドが複数いることが前提で経営戦略が作られているハズだ。質の良いメイドの確保・育成にはお金をかけているに違いない。
この部分はブランディング戦略と繋がる。@ほ~むカフェもめいどりーむも、メイドを足がかりに芸能界へ!等と夢へのチャンスが散らばっている。ブランド化したメイド喫茶はメディア露出が多いため、自分のメディア露出可能性も高まるという相乗効果がメイドさんたちにはあるワケだ。それならば有名なメイド喫茶で働こうと考えるのは普通であって、経営側の人材の確保という部分はブランド化という戦略でクリア出来る。しかも、芸能人を目指すような子たちが来るとあってルックス面でも期待が出来るので、スーパーメイドが誕生する可能性も高い。メイドたちはメイド喫茶を活用し、経営はメイドを利用し、Win×Winな関係が構築されている。逆説的に考えればブランド価値の無いメイド喫茶に可愛い子も、質の良い人材が集まる可能性は低い。
ここまでで新規の参入障壁がとてつもなく高い事が分かった。
メイド喫茶を繁盛させるためには、相当な仕組みが必要。原価管理をしましょう!なんて言えるメイド喫茶は極わずかで、中途半端なメイド喫茶の経営は資金繰りがヤバそうな事は想像出来る。実際、喫茶店で利益率が良い形態は「マンガ喫茶」であり、滞在すれば滞在しただけお金が発生する形態は飲食店としては画期的だ。コーヒーの原価率なんて15%ぐらいだから延長料金の利益率はべらぼうに高い。人気メイド喫茶の形態も席が時間性になっていて、延長料金が発生する。これをマンガ喫茶形態と言えば良いのか、キャバクラ形態と言えば良いのか難しいところだが、まぁ両方なのかな。
結論としてメイド喫茶は儲かり難い。