【エステサロンの原価計算】個人エステで独立する場合の原価面での注意点とは?後編

ターゲット層を明確にすることに尽きます。

3年以内に9割ものサロンが閉店する理由を突き詰めれば、前職場のコピー店を作っている事が多いからです。なぜコピー店を作る事と閉店が直結するのか?前職場は繁盛していたし、同じモデルで通用するのでは無いか?

エステティシャンとしての勉強と経験はしていますし、技術的にはもちろん通用します。

サービス品質も使ってる液剤も前職場(高級エステサロン)と同等!外観だって可愛いから大丈夫!
こんな店は確実に閉店コースです。

前職場と同様のターゲット層が独立した立地から半径2km以内にどれほどいるか考えて店を出したのでしょうか?前職場が新幹線駅のある場所を中心に展開する高級サロンだったとしたら。地元で開業した瞬間に勝算は外れます。ショッピングモールがある街に開業しても同じような事です。商圏内にターゲット層はどれぐらいいるのか?原価意識を持つ前に売上の構成をしっかりと考えましょう。

もし、前職場と同じコンセプトで店舗を作っていて商圏内にターゲット層が乏しい場合に何が起きるのか?

それは、サービスの安売りです。

エステサロンの施術に使う液剤等の消耗品の原価率は10%未満です。これは、店としてお客さんが回転している前提の数字です。お客さんがまったく来ず、大量の液剤を買って準備している場合、それは未使用の在庫になります。在庫というのはお金が商品に変わって寝ている状態です。つまり、資金繰りは悪化します。エステサロンは開業しやすいのが魅力ではありますが、開業当初は、お金が店舗内装や液剤に姿を変えてしまって手元には少ない事が大半だと思います。

独立したのにお客さんが来ない→資金繰りが上手くいかない→家賃等の固定費を払わないといけない→施術の値段を下げてでも金を集めるしかない。

この負のスパイラルにハマり、元高級エステサロンのエステティシャンが自転車操業必須のバーゲン価格で施術をする事になります。これは、薄利多売で既存市場の顧客を他社から奪う方法です。働けど働けどお金は貯まりません。似たような価格帯のサロンはきっと山ほどあります。差別化のために安さだけがそのサロンの売りになってしまい、最終的に閉店します。

正直、夢と技術だけでは閉店して当然です。
なぜならエステティシャンとしての経験値は豊富にあれど、エステサロン経営者の勉強もろくにしてない素人なのです。店長としての経験があったところで、それは前職場が計算しつくした勝機のある商圏に店舗を構えるエステサロンでの経験であって、集客にこんなにも苦労するとは想定していないことでしょう。


ライバルひしめく戦国時代のようなエステサロンの経営に役立つ考え方は、
“京都式経営”だと私は思います。


京都企業が独創的で成功している理由は、なにを隠そう京都式経営にあるのです。京都の市場規模は、日本の総人口に対する人口比率でたった約2%に相当する経済圏に過ぎません。この2%経済圏という箱庭のような厳しい企業環境にもかかわらず、陶磁器や木工品、織物、旅館など、あらゆるジャンルの産業が数百年も存続しているのです。この背景には、各々の企業が独自性を打ち出して、企業間の棲み分けをバランス良く行ってきた歴史があります。この京都式経営が大事にしている3つの感性とは、

「共生(きょうせい)」人のマネをして市場を取り合わない。
「深化(しんか)」目に表れない信念や価値観こそ重視する。
「人財(じんざい)」一流の職人がいれば、一流の店になる。

この3つの感性を持ち合わせた店作りをしなければ、京都市内での長期的な経営が出来ないのです。これはエステサロンに流用できる経営概念では無いでしょうか?色々なエステサロン開業のハウツー本もありますが、この3つを謳っている本は見たことがありません。

まさかのオリジナル展開です(笑)

エステサロンで独立する方は「人財」の面ではクリアしています。なぜなら自分が一流だからです。問題は「共生」と「深化」です。

「共生」は先に述べた通りで、顧客を奪い合っても良い事はありません。ターゲットを明確にすることが大事です。「深化」は店のコンセプトです。店の全てに一貫性があるようなコンセプトが必要です。共生×深化がハマれば差別化の成功です。差別化出来る商圏を探して開業するか、開業したい商圏にどのようなターゲットがいるのか見極めた上で「深化」を考えましょう。そして、差別化とはそのまま「ブランド力」になります。

ブランド力のある会社が兼ね備える5つの特徴はこのようになっています。「共生」「深化」「人財」が成功し、「ブランド」となれたか否かはこの特徴が表れているか否かで判断可能です。

1. 顧客が他の人に店を紹介してくれる
2. 「一緒に働きたい」という人がやって来る
3. 「協業しませんか」という人がやって来る
4. 「御社が好きです」という人がいる
5. 関わる人(顧客・従業員・その家族)に感謝される

ブランドとなれば、薄利多売とは逆の高利薄売(こんな言葉無いけど)が可能です。働くほどのお金が貯まります!

エステサロンで独立しようと考えている方は、いかにして差別化するか?原価意識の前に売上構成をしっかりと考えて戦略をたてて開業してください!!タイトルとは異なるまとめになってしまいましたが、本当にこの通りなんですエステサロン(;´∀`)
プロフィール

名古屋の原価コンサルタント 和田仁支

Author:名古屋の原価コンサルタント 和田仁支
ブログタイトルにある“無双”とは、唯一無二という意味です。

企業も人も十人十色。全く同じ会社は世界に二つと存在しません。そして、御社の原価も全く同じものは存在しません。


まさに“原価”“無双”です。


そんな原価の計算・活用・管理に役立つ情報を私の感性でお送りします!!

<経歴>
高校生の回転寿司アルバイトで年間給与100万超。売れるネタと儲かるネタが違う事を知り、企業経営に興味を持ち税理士を目指す。会社組織を知ろうと新卒でトヨタ系上場企業に入社。税務を希望するも畑違いの「原価担当」となり、入社早々会社組織の理不尽さを体験。しかし、現地現物主義という理念が性に合い、1ヶ月の半分以上を現場に通い、人・モノ・設備の流れを原価に変える力を身に着ける。現在は名駅(柳橋市場の近く)にある税理士法人の一員として、中小企業経営者の支援をする傍ら原価コンサルタントとして執筆・研修・原価管理導入支援コンサルを行う。

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