【機械設計業の原価計算】この設計はこの業者にしか頼めない!と付加価値を感じさせれば勝ち

今回は、機械設計業の原価計算を取り上げます。

愛知県は自動車関連の企業が非常に多く、その1つに機械設計業があります。業務内容としては、他社からの注文を受け、CAD(Computer Aided Design :コンピュータ支援設計とも呼ばれ、コンピュータを用いて設計をすること)を用いて図面を引く仕事です。なお、自動車の機械設計業の業態は派遣業のようになっており、大手自動車メーカーの設計部門に人材を派遣する形で従業員を駐在させ、設計部門への対応がすぐに出来るようになっています。

では、この自動車の機械設計業を原価計算の視点で見たときに、発生する費用は何か?主に労務費のみです。CADの保守費用等はかかりますが、工数×賃率が原価の大部分を占めます。大型の設備投資が頻繁におきるワケでも無く、その原価計算は非常にシンプルです。シンプル過ぎるため原価管理が重要になってきます。機械設計業の注文の受け方は、1つのプロジェクトに対して『時間当たり作業料×見積工数』で決まります。時間当たり作業料は取引先との折衝によって決定されることも多く、自社でコントロール出来る部分とは言い難いです。

しかし、通常の業種と違って取引先にとっての機械設計業は、内部の機密情報を取り扱う取引相手であり、その信頼関係は通常の取引相手とは一線を画します。そこで、この作業料には一定の利益が考慮されており、見積工数さえ読み違えなければ利益が出る仕組みとなっています。見積工数通りに実施して利益が出るのであれば、提示した見積工数よりも少ない工数で効率的に実施出来ればもっと利益が出るのは想像出来ます。

この見積工数のベースとなるのは、過去のプロジェクトです。逆手にとらえれば、自社で技術革新をし、工数50%減が達成出来たとしても見積工数は過去のプロジェクトベースのままです。ここに勝機があります。この見積と実態の差で利益を生む事が出来るのです。実際には、見積工数を上回る取引も存在するので①黒字取引②改善して黒字取引③改善成功すれば黒字取引④赤字取引の4つに分けて管理する必要があります。工数管理が利益を生む機械設計業は、③をいかに多く把握する事が出来るかが利益獲得の鍵です。どれ程の工数を投入すれば、どれぐらいの改善額となるのか?それぞれの見積投下工数と影響額を把握し、適切なタイミングで実施して行けるように常に準備しておく必要があります。

今回の考え方は、通常の製造業にも適用できます。毎年ある取引先との価格協力(コストダウン)に対して、いかに提示する原価と実際の原価に差をつける事が出来るか。材料費、労務費、経費の側面から自社のコントロールで大幅削減が出来る部分を常に探し出すようにして下さい。そんなもの発見できない!という先は、いかにしてそこを創るかを検討しましょう。(文:和田仁支)

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プロフィール

名古屋の原価コンサルタント 和田仁支

Author:名古屋の原価コンサルタント 和田仁支
ブログタイトルにある“無双”とは、唯一無二という意味です。

企業も人も十人十色。全く同じ会社は世界に二つと存在しません。そして、御社の原価も全く同じものは存在しません。


まさに“原価”“無双”です。


そんな原価の計算・活用・管理に役立つ情報を私の感性でお送りします!!

<経歴>
高校生の回転寿司アルバイトで年間給与100万超。売れるネタと儲かるネタが違う事を知り、企業経営に興味を持ち税理士を目指す。会社組織を知ろうと新卒でトヨタ系上場企業に入社。税務を希望するも畑違いの「原価担当」となり、入社早々会社組織の理不尽さを体験。しかし、現地現物主義という理念が性に合い、1ヶ月の半分以上を現場に通い、人・モノ・設備の流れを原価に変える力を身に着ける。現在は名駅(柳橋市場の近く)にある税理士法人の一員として、中小企業経営者の支援をする傍ら原価コンサルタントとして執筆・研修・原価管理導入支援コンサルを行う。

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