【喫茶店の原価計算】400円の珈琲の原価は40円!?それでも苦しい喫茶店経営

今回は、喫茶店の原価計算です。ちなみに「喫茶店」と「カフェ」の違いをご存知でしょうか?食品衛生法で区分をすると喫茶店は、“喫茶店営業”カフェは、“飲食店営業”です。喫茶店営業とは『酒類以外の飲食や茶菓子を提供する営業』なので、今回の題材となる喫茶店にはアルコール関連のメニューが無いという事です。

喫茶店の原価計算の「原価」とは一般的には「材料原価」を指します。先に結論を記載しますが、喫茶店の原価率は30%が目安です。なお、喫茶店で出す珈琲の原価は豆代と砂糖やミルク等を含めても40円程度というのが一般的。400円の珈琲で原価率10%なら喫茶店は儲かる!と感じた方、そう簡単ではありません。もう少し広い視野で考えてみましょう。

400円の珈琲が1日100杯、20日売れて売上は80万円。売上-材料費の粗利益は72万円。ここから家賃、水道光熱費、消耗品、銀行への返済等を差し引くと、手元に残るお金は雀の涙です。愛知県は全国的にも珍しくモーニングサービスがあるので、赤字の可能性もあります。いくら原価率が低くても単価が安いので最終的な利益は少なくなるのです。

そこで、喫茶店では、各種料理も提供する事になります。先に記載した目安となる原価率30%とは、珈琲のように低い原価率もあれば原価率の高いフードメニューも混在し、平均した原価率が30%になるという事なのです。

しかし、喫茶店の原価は変動します。珈琲豆が不作な年もあるでしょうし、野菜が高騰する事もあります。原価率の変動がすぐ売価に転嫁出来れば問題ありませんが、頻繁に価格改定は出来ません。そこで付加価値という原価変動のクッションを売価に組み込む事になります。この付加価値は、簡単に表現すれば他店には無い要素です。例えば、料理人をカウンター越しに見えるようにし、調理中のパフォーマンスが凄い!等です。人間の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で物を食べて「美味しい」と感じさせる感覚の割合が一番高いのは、実は「視覚」です。約70%もの割合だそうです。視覚効果で美味しそう!と感じさせれば、料金が高くとも納得する。という事です。1杯の珈琲が千円でも売れる付加価値をつける事が出来れば、原価高騰の影響も軽微で済みます。反対に付加価値が少ない珈琲は400円でも高く感じます。

原価率30%はあくまで目安です。いかに付加価値を高め売価に転嫁し、客足を途絶えさせない工夫をするか。これが出来る自信があれば是非、喫茶店をオープンしてみてください!(文:和田仁支)

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プロフィール

名古屋の原価コンサルタント 和田仁支

Author:名古屋の原価コンサルタント 和田仁支
ブログタイトルにある“無双”とは、唯一無二という意味です。

企業も人も十人十色。全く同じ会社は世界に二つと存在しません。そして、御社の原価も全く同じものは存在しません。


まさに“原価”“無双”です。


そんな原価の計算・活用・管理に役立つ情報を私の感性でお送りします!!

<経歴>
高校生の回転寿司アルバイトで年間給与100万超。売れるネタと儲かるネタが違う事を知り、企業経営に興味を持ち税理士を目指す。会社組織を知ろうと新卒でトヨタ系上場企業に入社。税務を希望するも畑違いの「原価担当」となり、入社早々会社組織の理不尽さを体験。しかし、現地現物主義という理念が性に合い、1ヶ月の半分以上を現場に通い、人・モノ・設備の流れを原価に変える力を身に着ける。現在は名駅(柳橋市場の近く)にある税理士法人の一員として、中小企業経営者の支援をする傍ら原価コンサルタントとして執筆・研修・原価管理導入支援コンサルを行う。

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