【塾の原価計算】間接経費の考え方。いつ見るの?今でしょ!!

今回は、サービス業の原価計算です。塾の小学校5年生クラスの原価計算を覗いてみましょう。

仮に進学塾「和田塾」があったとします。塾の概要は以下の通り。①講師:社長1人、正社員2人、アルバイト3人②対象学年:小学校1年生~6年生。5年生クラスの運営については週4日、5時間(月4週とした場合の月間授業時間は80時間)、担当講師は4日とも時給1,500円のアルバイト、月謝は3万円、生徒数は30人、テキストは毎月800円の外部教材を使用しています。

原価計算の第一段階は費用を材料費、労務費、経費に分けるところから始まります。塾の諸費用としては家賃、PC・複合プリンターのリース代、通信費、水道光熱費、広告宣伝費、テキスト代、講師賃金、アルバイト代、雑費といったところでしょうか。塾に材料費はありませんので、労務費と経費のみという事になります。

このクラスだけにかかる経費としてはテキスト代があります。このように直接認識出来る経費を直接経費と呼びます。その他の経費は塾の運営にかかる全体の費用であり、このクラスだけに直接認識出来ません。このような経費を間接経費と呼び、一定の基準で配賦計算します。しかし、間接経費の実際額配賦は以下の点から実務上望ましくありません。①工数がかかり計算が遅れる。②偶然生じた費用が全て計算結果に反映される。そこで、間接経費については実際額を配賦するのでは無く、正常額(予算額)を配賦します。つまり、年間を通じて常に一定の正常配賦率を使用することとなります。年間の間接経費予算÷同期間の予定総直接時間(授業時間)で間接経費の正常配賦率を設定します。

今回の配賦基準は授業時間です。夏期講習等の季節変動を考慮して計算した和田塾の正常配賦率は4,500円でした。間接経費は80h×@4,500円=360,000円。労務費はアルバイトの時給をそのまま使用して計算すると80h×@1,500円=120,000円。直接経費はテキスト代30人×@800円=24,000円。総原価は504,000円です。月謝は総額90万円なので黒字ですが、ここで注意すべきは労務費をアルバイト時給で計算したことです。社長と正社員の給料まで考慮すると別に賃率を設定する必要があります。それはまた別の業種でご紹介します。

間接経費の計算は予算を使用することで原価を素早く見る事が出来ます。経営の意思決定にはスピードも重要なので、実務的な考え方と言えます。(文:和田仁支)

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名古屋の原価コンサルタント 和田仁支

Author:名古屋の原価コンサルタント 和田仁支
ブログタイトルにある“無双”とは、唯一無二という意味です。

企業も人も十人十色。全く同じ会社は世界に二つと存在しません。そして、御社の原価も全く同じものは存在しません。


まさに“原価”“無双”です。


そんな原価の計算・活用・管理に役立つ情報を私の感性でお送りします!!

<経歴>
高校生の回転寿司アルバイトで年間給与100万超。売れるネタと儲かるネタが違う事を知り、企業経営に興味を持ち税理士を目指す。会社組織を知ろうと新卒でトヨタ系上場企業に入社。税務を希望するも畑違いの「原価担当」となり、入社早々会社組織の理不尽さを体験。しかし、現地現物主義という理念が性に合い、1ヶ月の半分以上を現場に通い、人・モノ・設備の流れを原価に変える力を身に着ける。現在は名駅(柳橋市場の近く)にある税理士法人の一員として、中小企業経営者の支援をする傍ら原価コンサルタントとして執筆・研修・原価管理導入支援コンサルを行う。

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